ただいま。

美容院に行ってきた。
青春真っ盛りの高校時代に通い、ディズニーランドで働いていた時ぐらいまでお世話になっていた美容院だ。
もう7年ぐらいだろうか、行っていなかったのは。店は移転し、2階建てで大きくなっていた。風の噂で、移転していたのは知っていた。


最後に行った時に比べて10キロ以上も太って姿も変わり、ましてや7年も行ってないオレなんて
とっくに忘れ去られているだろう…と思い、店のドアを開けた。特に予約もせず、いきなりだ。


するとまず目に入ってきたのは、どこかで見たことある顔…いや、この店で見たことのある顔、中学の先輩だ(中学当時に直接面識はなかった)。以前の彼女はまだ入りたてだったからだろうか、カットはせず、雑用やシャンプーなどの仕事をこなしていた。
そしてもう一人、店長だ。本当はもっといるはずだが、今日は2人しかいなかった。


中でしばらく待ち、やがて中学の先輩が担当してくれることになった。覚えているだろうか。


先輩「今日は初めてですか?」
オレ「いや、駅の近く(移転する前の場所)で来て以来です」
先輩「お名前聞いてもいいですか?」
オレ「○○です」
先輩「あーわかった!ディズニーランドでバイトしてた!××君の友達の」
オレ「そうですwww」


これで覚えていてくれたのは明白だろう。あの店の客であそこでバイトしてたのは自分ぐらいだ。こんな姿が変わってしまったオレでも、どことなく雰囲気を感じてそうなんじゃないかと思っていたらしい。


カットしている間、近況報告や映画の話をしていた。ドラゴンボールヤムチャ役の顔の酷さはないだろうと意見が一致した。楽しかった。


そして帰るとき、先輩が店長に


先輩「○○君だって!ディズニーでバイトしてた!」
店長「おぉそうだったか!!久しぶり!なんか体つき良くなった!?」
オレ「いや、あれっから太っただけですww」


店長まで覚えているとは。さすが地元クオリティ!


店長「それでも面影は残ってるからね〜。今どこにいるの?」
オレ「実家にいます」
店長「そうかー。おかえり!」


ここで実感した。地元に帰ってきたんだと。「おかえり」この一言になんだか無性に嬉しくなってしまった。そして照れくさそうに静かにこう答えた。


オレ「ただいま」


あまりにも嬉しい出来事だったので、エイプリルフールは嘘をつかずにこのことを書こうと心に決めた。




一日考え抜いた挙句、大して面白い嘘も思い浮かばず、つまらないし悪い冗談しか考え付かなかった挙句エイプリルフールが過ぎてしまったのは内緒だ。