映画2009#12:釣りキチ三平

あれ?まだ12本目だったか。脳内では13本目の勢いだったんだが…。。
そして2週間ぶりの映画館。


本当は見る予定もなく、上映スケジュールの紙貰って帰ろうとしたけど、1000円で観れる日だしと思い、なんとなく観た。漫画・アニメの実写化3連続!って勢いで。
予告編上映開始直後に入ったにもかかわらず先客は一人。後からも誰も来ず。さすが田舎クオリティ。過疎ってる。


映画#12:釣りキチ三平


原作の漫画、1973年連載開始って…36年も前ですか…!
俺らの世代が物心つく遥か前に連載されていた漫画の実写化。


幼い少年にして天才といって良いほどの釣り名人の三平三平(みひらさんぺい)が、アメリカでバスプロとして活躍している鮎川魚紳(あゆかわぎょしん)と出会い、夜泣谷に潜む巨大魚の伝説を聞かされる。そして巨大魚を釣り上げることに燃え、夜泣谷へ行くことを決意する。
一方、東京から里帰りした姉の愛子は「釣りばっかやっていて良くない、東京で面倒を見る」と三平を一平(三平のじいちゃん)の元から連れ出そうとする。そんな最中に巨大魚を釣ろうという話。同時に「巨大魚が釣れたら一平と三平の好きなようにさせる、釣れなかったら三平を東京に連れて行く」という大きな賭けもするのだった。


この作品を通してまず目に付くのは、何と言っても大自然の美しさだろうか。山・森・水とどれを取っても清清しい!この大自然な背景にはとても癒された。
釣り漫画の王道(?)、オチを言ってしまえば大物を釣り上げるところにある。しかしこの王道ストーリーと平行して姉の愛子が都会へ行って無くしてしまったもの、そして家族愛を取り戻す話が盛り込まれている。愛子が険しい道のりを進み、巨大魚を釣ろうと楽しそうにしている三平たちを見て、自然のすばらしさ・釣りの楽しさに引き込まれていく(取り戻すと言った方がいいのかな?)様子も要注目である。終盤には予想外に涙してしまった。
とてものどかで田舎らしさがある中で、(この作品内では)奇抜な衣装・現代っ子風な愛子が突然現れても、後半でその理由・違和感は拭えることでしょう。


ちょっと残念だったのは、大自然という背景とCGがちょっとだけアンバランスだったところだろうか。あきらかにCGだっていう場面では若干違和感が残ってしまった。だけど、これについてはとやかく言うつもりはない。実写でも描写するには限界があるだろうし、やはり元は漫画。漫画らしさが残っているのは釣りキチ三平としての魅力を損なわないためだろう。


最後に、原作を見ている人や釣りに詳しい人にとっては「違和感があるかも」しれない、釣りに全く興味がない人にとっては「なんのこっちゃ」と思うかもしれません。
釣りを知らなくても多少でも興味があれば、劇中でさりげなく解説してくれているので、わりとすんなりあの世界観に入り込んでいけるのではないかな、なんて思っている。


結論を言うと、「個人的には予想以上に面白かった」です。


滝田監督にとって「おくりびと」が何かと話題になった直後の作品となり、酷評もちらほらあるようですが、これはこれでありじゃないのかな、と思っています。